前の職場が懐かしくて、「戻りたい」と思ってしまう…そんな気持ちを抱えているあなたの心を、りょうこは感じています。
「出戻りはあり?なし?最近会社の上司が出戻りをして再入社してきました。どのようなマインドなんでしょうか?」
そんなご相談をきっかけに、今回は出戻りを考えている方の心境について、りょうこと一緒に考えてみたいと思います。
記憶の美化現象
時間が経つと、不思議なことが起こります。
辞めた時は「もうこんな会社、嫌だ!」と思っていたはずなのに、いつの間にか嫌な記憶は薄れて、良い思い出ばかりが鮮明に蘇ってくるのです。
「あの時の同僚は優しかった」「上司は理解があった」「会社の雰囲気が良かった」
そんな美化された記憶と、現在の職場での不満を比較して、「やっぱりあの会社の方が良かったかも」と思ってしまう。
でも、ちょっと待ってください。本当にそうだったでしょうか?
辞める時は、きっと何か大きな理由があったはずです。人間関係だったかもしれません。待遇面だったかもしれません。将来への不安だったかもしれません。
記憶は時間と共に美化されるものです。辛かったことは忘れがちで、楽しかったことだけが残りやすいのです。
地位・立場への執着と錯覚
特に管理職だった方に多いのが、この錯覚です。
「部下が自分に従ってくれた」「みんなが自分を慕ってくれていた」「あの時の自分は輝いていた」
そんな記憶が、まるで自分のパーソナリティが評価されていたかのように思えてくる。
でも、本当にそうだったでしょうか?
部下があなたに従ってくれたのは、あなたの人格が素晴らしかったからかもしれません。でも同時に、「上司だから」という立場による部分も大きかったはず。
役職による権威と、個人の魅力を混同してしまうと、現実とのギャップに苦しむことになります。
管理職時代の承認欲求が満たされていた記憶への郷愁は、とても自然な感情です。でも、それが本当の自分の価値だったのかは、冷静に見極める必要があります。
出戻り後の現実と新たな不満の循環
仮に出戻りが成功したとしましょう。
権威のない、新入社員と同じ立場での再スタート。最初は「戻れて良かった」という安堵感に包まれるでしょう。
でも、時間が経つとどうでしょうか?
またその環境にも慣れてしまい、毎日が同じことの繰り返しになってきます。そして新たな不満が生まれ始めるのです。
「やっぱり前の転職先の方が良かったかも」 「あの時辞めなければ良かった」
今度は別の場所が美化されて、また「隣の芝生は青い」状態が始まります。
これは永遠に続く循環です。問題は場所ではなく、もしかしたらあなたの心の中にあるのかもしれません。
一般的な解決策
そんなあなたに、出戻りを考える前にやってみてほしいことがあります。
退職理由を徹底的に振り返る
当時の決断を思い出す
まずは、なぜ辞めたのかを紙に書き出してみましょう。「人間関係がストレスだった」「評価制度に不満があった」「成長できないと感じた」など、当時の率直な気持ちを思い出してください。
その時の日記やメール、友人との会話も重要な手がかりになります。当時のリアルな感情を再確認することで、美化されていない本当の理由が見えてきます。
特に、結婚や出産を機に退職した方は、もう一度冷静に振り返ってみてください。「育休制度があったのに退職を選んだ理由」を具体的に整理してみるのです。
本当に「職場復帰への不安」や「時短勤務の限界」が理由だったでしょうか?それとも、職場に何らかの不満があって、ちょうどそのタイミングで妊娠し、「前向きな理由で退社したい、このタイミングだった」ということはありませんか?
妊娠・出産という大きなライフイベントは、時として職場の問題から逃れるための「正当な理由」として使われることがあります。それは決して悪いことではありませんが、本当の退職理由を見つめ直すことは大切です。
問題が解決されているかチェック
当時の問題点が現在の職場で改善されているかを、現在の状況と冷静に比較してみましょう。そして何より重要なのは、出戻り先で同じ問題が再発する可能性はないかを客観的にリスク評価することです。
人間関係の問題だった場合、その相手はまだいるのでしょうか?評価制度への不満だった場合、その制度は変わったのでしょうか?
美化された記憶に惑わされないで、当時の本当の気持ちを思い出してみてください。そして、その問題が本当に解決されているのかを冷静に見極めることが重要です。
将来の自分を冷静に見極める
現実的な将来予想をしてみる
一度その会社を知っているからこそ、あなたは1年後、5年後の自分がどうなっているかがリアルに想像できるはずです。
今いる上司を見れば、それがあなたの目指す姿であり、将来のあなたの姿でもあります。「この人のようになりたいか?」を正直に自問してみてください。
昇進ルートやキャリアパスも既に分かっているでしょう。サプライズや期待外れが少ない分、その現実をしっかりと受け入れる必要があります。
例えば、「10年後も同じような業務を続けている自分」「管理職になっても給与がそれほど上がらない現実」「定年まで大きな変化のない環境」などを想像してみてください。
出戻りの意味を理解する
出戻ったということは、そういう将来も含めて、その会社を受け入れたということです。「知らなかった」「騙された」という言い訳は通用しません。
全てを知った上での選択だからこそ、相当な覚悟が必要になります。
周囲の目を気にしすぎない
自分の選択に責任を持つ
他人からどう思われようが、最終的に責任を取るのは自分です。「出戻り」という言葉に惑わされる必要はありません。これは単なる転職の一形態に過ぎないのです。
家族や信頼できる人の意見は聞くべきですが、最終判断は自分で下すしかありません。周囲の雑音に振り回されることなく、自分の人生を自分で決める勇気を持ちましょう。
堂々とした姿勢を貫く
決断した以上は、後ろめたさを持つ必要はありません。
過去の経験を活かせる部分を積極的にアピールしましょう。「外の世界を見た経験」や「多角的な視点」は、あなたの強みになります。
そして新しい環境でも、昨日より今日、今日より明日の成長を常に意識することが大切です。
周囲の反応への理解も示す
出戻りに批判的な人の気持ちも考える
同じ理由で退職を繰り返すなら、「計画性がない」と思われても仕方がない部分があります。
一緒に働く同僚からすると「また辞めるのでは?」という不安を抱かせてしまうのも事実です。「出戻りを認めない人たち」の意見も、一理ある部分があることを理解しましょう。
信頼回復の努力
前回と同じ失敗を繰り返さない具体的な改善策を示すことが重要です。そして、長期的にコミットする姿勢を言葉ではなく行動で証明していく必要があります。
りょうこのお告げ
出戻りを考えているあなたへ🐰
まず大切なのは、一度退職を決めた理由について、自分で問いただしてみること。美化された記憶に惑わされないで、当時の本当の気持ちを思い出してみて。
そして、その問題が本当に解決されているのかを冷静に見極めることが重要よ。
でも、もしかしたら違う見方もあるかもしれない。
一度会社を離れて時間が経ったからこそ、自分がどうしたいのか、何がしたいのかが見えてきたのかもしれないのよ。どういう時に自分はやりがいを感じ、適性を見出したのか。外の世界を経験したからこそ、本当の自分の価値観がはっきりしたのかもしれない。
それは決して悪いことではないの。
そしてもう一つ大切なことがあるの。
一度その会社にいたからこそ、あなたは1年後、5年後の自分がどうなるかが見えているはず。今いる上司があなたの将来の姿よ。その現実も含めて受け入れられるかしら?
出戻ったということは、そういう将来も含めて、その会社を選んだということ。『知らなかった』とは言えないのよ。
そして、出戻りに批判的な人たちの気持ちも、少しは理解してあげて。同じ理由で退職を繰り返すなら、『また同じことになるのでは?』と心配されても仕方がないの。
でもね、どれだけ考えて出した結論も、一度は必ず後悔するときがやってくるものよ。それは出戻りでも、転職でも、現職に留まることでも同じ。
大切なのは、その後悔と上手に付き合いながら、自分の選択に責任を持つこと。
周りにどう思われようが、自分の決めた選択肢に自信を持って、やっていくしかないの。
『出戻り』という言葉に負い目を感じる必要はないのよ。あなたの人生は、あなたが決めるもの。
一番大切なのは、今いる場所で、昨日の自分よりも少しだけ成長すること。場所を変えることで解決する問題もあるけれど、自分の心と向き合うことで解決する問題の方が多いものよ。
それでも戻ることを選んだなら、今度は本当に腹を決めて、その場所で花を咲かせることに集中してね。
あなたがどんな選択をしても、りょうこは応援してるからね🐰
同じような気持ちで迷っているあなた、りょうこに相談してみませんか?
あなたの心に寄り添い、お告げを通してヒントをお伝えします。
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